前回は…
TVの企画に携わることとなった今回。北海道のウニ・イクラの企画で、妻がお店を推薦することとなりました。推薦者としてしっかりと料理を味わって把握しておかねば!ということで向かったのは室蘭市のイタリアンレストラン「リストランテカリーナ」さん。その帰りによった登別市の「豆の文志郎」さんでは、品評会で賞を受賞した経歴のある「わら納豆」を購入!後日美味しくいただきました。
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店舗外観
室蘭から帰ったその足で真っすぐに向かったのは、札幌一の繁華街「すすきの」。TVの企画で、ウニ・イクラを満喫することのできる穴場の店として紹介させていただいたのは、和食料理の「おしどり」さん。たっぷりとウニが乗っているだけではなく、ご飯の中にまでウニを絡めたここだけの料理「無敵のウニ丼」のインパクトが強く、また他でマネしている様な店も見当たらなかったので、真っ先に推薦させていただいたお店です。
お店の場所ですが、住所は「札幌市中央区南9条西4丁目」。お店の回りだけではなく、すすきので一番高いビルと言っても過言ではない「AMSタワー」の1階になります。駐車場の奥にひっそりと店を構えてますので、昼間だと見落としてしまいそうな隠れ家的な佇まいのお店です。
お通し
おしどりさんにはメニュー表はなく、あるのは以下の3種類のコースのみとなります。今回は一番お手頃な10,000円のコース「開運」をいただいてきました。
- 開運 10,000円
先付・刺身・選べるおすすめ料理1品・酒肴盛り合わせ・汁もの・ご飯もの - 錦 12,600円
先付・刺身・選べるおすすめ料理2品・酒肴盛り合わせ・汁もの・ご飯もの - 寿 15,000円
先付・刺身・選べるおすすめ料理3品・酒肴盛り合わせ・汁もの・ご飯もの
(各税別)
最初に出たのは「浜中町産のウニ」。
店主小林さんより「手を出してください」とのことだったので、出してみたらポンと手のひらに乗っけてきました。甘くて美味しいウニ。次の料理への期待が高まりました!
酒肴4品盛り
うに一夜漬け、干し海老、鮭山漬、鮭とばジャーキー。お酒が進みそうな顔ぶれでしたが、この日は車で直行だったためノンアル。代わりに集中して食事を楽しむこととしました。
一度でも行ったことがある方であれば直ぐにわかると思うのですが、こちらのお店で一番印象が強かったのは店主「小林」さんの饒舌な会話。留萌出身の小林さんが繰り出すトークは、地元留萌から取り寄せるこだわりの食材や札幌へ出てくることとなった経緯から始まり、最終的にはすすきのでおススメの飲食店の話や、ひと味変わったスナックやものまねバーの話、スポーツ選手や芸能人の裏話(もちろん時効をむかえた内容のもののみ)など多岐にわたりました。良くまぁこれだけ出てくるなと感心するくらいで、聞いていて飽きませんでした。
お刺身盛り合せ
美味しそうな刺身の盛り合わせ。
お皿の上には、大ぶりのホタテの他、サクラマス、留萌産タコ、生数の子、ニシンが乗ってました。
大ぶりのホタテは貝柱だけではなく、甘くて濃い味の卵巣・コリコリと食感の良いヒモもいただきました。とても鮮度が良いホタテで、間違いなく美味しいホタテでした。
他も全て美味しくいただきましたが、小林さんが知り合いの漁師から送ってもらっているという留萌産のタコと数の子が特に美味しかったです。生の数の子は食感も面白かったですし、どちらも鮮度が良くとても美味しいタコと数の子でした。
海鮮つみれ
発熱材を使って提供されたのは、おしどりさんオリジナルの海鮮つみれ。器を触ることもできなくなるくらい、熱々の状態で出てきました。海鮮つみれというくらいなので、具材には海鮮がたっぷりと入っています。魚のすり身の他には、イカやエビ、魚卵(数の子?)などがたっぷりで、味はもちろん色々な食感も楽しむことができました。
油が多めのスープで、上にかかっていたのはカラスミだそうです。
残ったスープにウニと白身のお刺身を入れていただきました。スープに良く合って美味しかったです。
クジラ刺し
選べる料理は「クジラ刺し」をいただきました。青魚が好きなわたしは「空前絶後のトロ鯖刺し」をいただくつもりだったのですが、魚の脂が大丈夫ならと小林さんがおススメしてきたのがこちらのクジラ。どうやら貴重なクジラらしく(話し過ぎて詳細を覚えてません…)あまり出回っているものではない様です。とても濃厚な脂の塊を食べているかの様でしたが、脂の融点が低いのか口の中はとてもサッパリ。お酒が間違いなく進む(と思われる)1品でした。
釣りキンキ ~エアドームしゃぶ刺し~
選べる料理、妻は「釣りキンキ ~エアドームしゃぶ刺し~」をいただきました。
以前はお湯でしゃぶしゃぶにしたキンキを出していたそうですが、それだとお湯にキンキの旨みと脂が逃げてしまうそう。そこで小林さんが考えたのが、この火の入れ方だそうです。器の中の発熱材から出た熱をラップで受け止め、その上でキンキに火を通して行きます。あまり熱をため過ぎるとラップが破裂してしまうので時折熱を抜いてやらなければならないそうですが、手慣れた手つきでスピーディーに捌いてました。
北海道型の器で出て来たキンキのしゃぶしゃぶ。火が入っているのはキンキの表面だけで、中はレアの状態です。しっかりと脂も残っていて、ポン酢との相性も抜群に良かったです。
ウニを乗っけていただいたり、ミョウガと一緒にいただいたり、その他にも色々な食べ方でいただくことができました。
痛風盛り
締めのご飯もの。妻は「無敵のウニ丼」のミニサイズもいただくことができる「痛風盛り」を注文。魚卵満載でプリン体はかなり高めの1皿です。写真手前のが無敵のウニ丼ミニ。ウニをまぶしたご飯の上に、生ウニ・炙りウニが乗っている贅沢なウニ丼です。他、手前よりイクラ・カジカの子・コマイの子・カラスミのかかった卵黄。
ご飯までウニがまぶしてあるウニ丼は、とても濃厚。甘い生ウニの上に炙ったウニも乗っていて、1度で3度楽しめるとても贅沢な正に「無敵のウニ丼」です。他の魚卵もそれぞれ美味しいものでした。全て食感が異なっていて、コマイの子は粒が小さく、カジカの子は数の子より粒が少し大きいくらい。小林さんのおススメは「コマイの子」。生臭さが出やすいらしく仕込むのも大変なのだそうですが、出来上がりはとても美味しく仕上がるのだそうです。
無敵のウニ丼のご飯。おひつでご飯にウニをまぶす様子を見せてくれました。
汁物は銀杏草が入ったお吸い物。とても上品なお出汁の味でした。別名「仏の耳」とも呼ばれる銀杏草ですが、いつ食べてもツルツルでコリコリの食感がたまりません。
握り6貫
選べる料理ですが、せっかく和食料理屋さんに来たので、お寿司をお願いしました。
まずは小樽産のニシンから。
訪問時はまさにニシンの旬の時期。とても脂のノッたトロトロのニシンで、とても美味しいものでした!赤酢を使ったシャリはとても小ぶりでネタを楽しむには丁度良い大きさでしたが、このニシンの脂を受け止めるにはもう少し大きい方が嬉しかったです。
イカの握り。
おしどりさんでは、イカは細かく切った状態で握ってました。適度な熟成具合で、少々ネットリした甘いイカでした。
白子の握りです。
個人的な好き嫌いですが、火の通った白子の食感があまり好きではありません。なので味は可もなく不可もなくです。是非白子が好きな人に食べてもらいたかった1貫です。
煮アワビの握り。
小さなシャリの上に、食べごたえが抜群な肉厚の大きなアワビが乗っていました。
カニの握り。
シャリは使わず、シャリの代わりにカニのほぐし身を使っていました。更にカニのほぐし身の上には、カニとカニ味噌。お寿司というよりは、お寿司型のカニです。もうこれは握りと呼んで良いのかわかりませんが、カニの旨みを存分に楽しむことができたのは確かです。
最後は留萌産の甘エビの握り。
熟成させた甘エビの上に、この日獲れたての甘エビを乗っけて、更にその上にはエビ味噌。1貫でエビの旨みを存分に楽しむことのできる贅沢な握りでした。
「香りが良いからそのまま食べてみて下さい」とのことでいただいたのは、サロマ産の海苔。鮮やかな緑で、とても風味が良い海苔でした。今回は海苔を使った料理はいただいてませんが、この海苔で作るウニの軍艦何かを食べた時には、美味しいこと間違いなしです。
店内の様子
コースターの北海道のイラスト。どこかで見たことのある様な感じがしてネット検索してみると、かつてTwitterに投稿された「適当すぎる北海道地図」が元ネタになっている様です。
店内は広くはなく、カウンターが6席の他、テーブル席が10席分のみとなります。小林さんとその奥様、お弟子さんの計3名で切り盛りしている様ですので、丁度良い席数かも知れません。なお現在の場所には2016年の2月2日に移転してきたそうで、以前は南4条西3丁目にある「第2グリーンビル」の6階にお店があったそうです。
ケースの中には美味しそうなネタがズラ~っと並んでました。
美味しそうなネタの中でも、特に留萌産の立派なタコ足と生の数の子が美味しかったです。
メニュー表 一部
選べる料理のメニュー表。
「開運」「錦」コースは上のメニュー表から選びます。一番高い「寿」コースの場合は、上のメニュー表で選んだ品に加えて、下のメニュー表からもう1品選ぶことができます。わたし達は開運コースをいただいたので、本来であれば寿コースの「釣りキンキ」をいただくことは出来なかったはずでした。しかし今回は小林さんがどれを選んでも良いと言って下さったので、甘えてしまいました。この様な気まぐれはたまたまなのでしょうが、とても嬉しい気づかいでした。
ご飯もののメニュー表がこちら。無敵のうに丼と痛風盛りは通常料金から+3,500円となります。
また握りは本来ネタが豪華な4貫か、数を重視してネタを控えめにした8貫しかありませんでした。どちらにするか悩んでいると、中間の6貫でもやってくれるとのことだったので今回は是非!とお願いした訳です。
SNSの反応
最後に
TVの企画の都合上、急に伺わなければならなくなったお店「おしどり」さん。急な予約にもかかわらず、快く迎えてくれました。料理の味もさることながら、店主小林さんの話は終始止まることはなく、気づいた時には3時間を超えて話をしてしまっていた程。満腹感以上にとても満足感で満たされ、お店を後にしたのを覚えています。今回は、伺った「おしどり」さん、「カリーナ」さんを始め計10店を紹介させていただいてますが、その内採用されたのは5件。これも何かの縁なので、紹介させていただいたお店には、是非繁盛し続けて欲しいと思います。
住所:札幌市中央区南9条西4丁目3-15 1階
電話:011-551-2636
営業:18:00~22:00
定休:日曜